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〘503㌻〙

第1章

1 これイエス・キリストの默示もくしなり。即すなはち、かならず速󠄃すみやかに起󠄃おこるべき事ことを、その僕しもべどもに顯あらはさせんとて、神かみの彼かれに與あたへしものなるを、彼かれその使󠄃つかひを僕しもべヨハネに遣󠄃つかはして示しめし給たまへるなり。 2 ヨハネは神かみの言ことばとイエス・キリストの證あかしとに就つきて、その見みしところを悉ことごとく證あかしせり。 3 此この預言よげんの言ことばを讀よむ者ものと之これを聽ききて其その中なかに錄しるされたることを守まもる者もの等どもとは幸福さいはひなり、時とき近󠄃ちかければなり。

4 ヨハネ書ふみをアジヤに在ある七なゝつの敎會けうくわいに贈おくる。願ねがはくは今いま在いまし、昔むかし在いまし、後のち來きたりたまふ者ものおよび其その御座みくらの前󠄃まへにある七なゝつの靈れい、 5 また忠實ちゅうじつなる證人しょうにん、死人しにんの中うちより最先いやさきに生うまれ給たまひしもの、地ちの諸しょ王わうの君きみなるイエス・キリストより賜たまふ恩惠めぐみと平󠄃安へいあんと汝なんぢらに在あらんことを。願ねがはくは我われらを愛あいし、その血ちをもて我われらを罪つみより解放ときはなち、 6 われらを其その父󠄃ちちなる神かみのために[*]國民こくみんとなし祭司さいしとなし給たまへる者ものに、世々よゝ限かぎりなく榮光えいくわうと權力ちからとあらんことを、アァメン。[*異本「王」とあり。] 7 視みよ、彼かれは雲くもの中うちにありて來きたりたまふ、諸衆もろもろの目め、殊ことに彼かれを刺さしたる者ものこれを見みん、かつ地上ちじゃうの諸族しょぞくみな彼かれの故ゆゑに歎なげかん、然しかり、アァメン。

8 今いまいまし、昔むかしいまし、後のちきたり給たまふ主しゅなる全󠄃能ぜんのうの神かみいひ給たまふ『我われはアルパなり、オメガなり』

9 汝なんぢらの兄弟きゃうだいにして汝なんぢらと共ともにイエスの艱難なやみと國くにと忍󠄄耐にんたいとに與あづかる我われヨハネ、神かみの言ことばとイエスの證あかしとの爲ためにパトモスといふ島しまに在ありき。
 503㌻ 
10 われ主日しゅじつに御靈みたまに感かんじゐたるに、我わが後うしろにラッパのごとき大おほいなる聲こゑを聞きけり。 11 曰いはく『なんぢの見みる所󠄃ところのことを書ふみに錄しるして、エペソ、スミルナ、ペルガモ、テアテラ、サルデス、ヒラデルヒヤ、ラオデキヤに在ある七なゝつの敎會けうくわいに贈おくれ』 12 われ振反ふりかへりて我われに語かたる聲こゑを見みんとし、振反ふりかへり見みれば七なゝつの金きんの燈臺とうだいあり。 13 また燈臺とうだいの間あひだに人ひとの子このごとき者ものありて、足あしまで垂たるる衣ころもを著き、胸むねに金きんの帶おびを束つかね、 14 その頭かしらと頭髮かみのけとは白しろき毛けのごとく雪󠄃ゆきのごとく白しろく、その目めは燄ほのほのごとく、 15 その足あしは爐ろにて燒やきたる輝かゞやける眞󠄃鍮しんちゅうのごとく、その聲こゑは衆おほくの水みづの聲こゑのごとし。 16 その右みぎの手てに七なゝつの星ほしを持もち、その口くちより兩刃󠄃もろはの利とき劍つるぎいで、その顏かほは烈はげしく照てる日ひのごとし。 17 我われこれを見みしとき其その足下あしもとに倒たふれて死しにたる者ものの如ごとくなれり。彼かれその右みぎの手てを我われに按おきて言いひたまふ『懼おそるな、我われは最先いやさきなり、最後いやはてなり、〘367㌻〙 18 活いける者ものなり、われ曾かつて死しにたりしが、視みよ、世々よゝ限かぎりなく生いく。また死しと陰府よみとの鍵󠄃かぎを有󠄃もてり。 19 されば汝なんぢが見みしことと、今いまあることと、後のちに成󠄃ならんとする事こととを錄しるせ、 20 即すなはち汝なんぢが見みしところの我わが右みぎの手てにある七なゝつの星ほしと七なゝつの金きんの燈臺とうだいとの奧義おくぎなり。七なゝつの星ほしは七なゝつの敎會けうくわいの使󠄃つかひにして、七なゝつの燈臺とうだいは七なゝつの敎會けうくわいなり。

第2章

1 エペソに在ある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「右みぎの手てに七なゝつの星ほしを持もつ者もの、七なゝつの金きんの燈臺とうだいの間あひだに步あゆむもの斯かく言いふ、

2 われ汝なんぢの行爲おこなひと勞らうと忍󠄄耐にんたいとを知しる。また汝なんぢが惡あしき者ものを忍󠄄しのび得えざることと、自みづから使󠄃徒しとと稱󠄄となへて使󠄃徒しとにあらぬ者ものどもを試こゝろみて、その虛僞いつはりなるを見みあらはししこととを知しる。
 504㌻ 
3 なんぢは忍󠄄耐にんたいを保たもち、我わが名なのために忍󠄄しのびて倦うまざりき。 4 然されど我われなんぢに責せむべき所󠄃ところあり、なんぢは初はじめの愛あいを離はなれたり。 5 然されば、なんぢ何處いづこより墜おちしかを思おもへ、悔改くいあらためて初はじめの行爲おこなひをなせ、然しからずして若もし悔改くいあらためずば、我われなんぢに到いたり、汝なんぢの燈臺とうだいをその處ところより取除とりのぞかん。 6 されど汝なんぢに取とるべき所󠄃ところあり、汝なんぢはニコライ宗しゅうの行爲おこなひを憎にくむ、我われも之これを憎にくむなり。 7 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし、勝󠄃かちを得うる者ものには、われ神かみのパラダイスに在ある生命いのちの樹きの實みを食󠄃くらふことを許ゆるさん」

8 スミルナに在ある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「最先いやさきにして最後いやはてなる者もの、死人しにんとなりて復また生いきし者もの、かく言いふ。

9 われ汝なんぢの艱難なやみと貧󠄃窮󠄃まづしきとを知しる――されど汝なんぢは富とめる者ものなり。我われはまた自みづからユダヤ人びとと稱󠄄となへてユダヤ人びとにあらず、サタンの會くわいに屬つく者ものより汝なんぢが譏󠄃そしりを受うくるを知しる。 10 なんぢ受うけんとする苦難くるしみを懼おそるな、視みよ、惡魔󠄃あくまなんぢらを試こゝろみんとて、汝なんぢらの中うちの或ある者ものを獄ひとやに入いれんとす。汝なんぢら十日とをかのあひだ患難なやみを受うけん、なんぢ死しに至いたるまで忠實ちゅうじつなれ、然さらば我われなんぢに生命いのちの冠冕󠄅かんむりを與あたへん。 11 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし。勝󠄃かちを得うるものは第二だいにの死しに害󠄅そこなはるることなし」

12 ペルガモに在ある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「兩刃󠄃もろはの利とき劍つるぎを持もつもの斯かく言いふ、

13 われ汝なんぢの住󠄃すむところを知しる、彼處かしこにはサタンの座位くらゐあり、汝なんぢわが名なを保たもち、わが忠實ちゅうじつなる證人しょうにんアンテパスが、汝なんぢ等らのうち即すなはちサタンの住󠄃すむ所󠄃ところにて殺ころされし時ときも、なほ我われを信しんずる信仰しんかうを棄すてざりき。
 505㌻ 
14 されど我われなんぢに責せむべき一二いちにの事ことあり、汝なんぢの中うちにバラムの敎をしへを保たもつ者ものどもあり、バラムはバラクに敎をしへ、彼かれをしてイスラエルの子孫しそんの前󠄃まへに躓物つまづきを置おかしめ、偶像󠄃ぐうざうに献さゝげし物ものを食󠄃くらはせ、かつ淫行いんかうをなさしめたり。〘368㌻〙 15 斯かくのごとく汝なんぢらの中うちにもニコライ宗しゅうの敎をしへを保たもつ者ものあり。 16 されば悔改くいあらためよ、然しからずば我われすみやかに汝なんぢに到いたり、わが口くちの劍つるぎにて彼かれらと戰たゝかはん。 17 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし、勝󠄃かちを得うる者ものには我われかくれたるマナを與あたへん、また受うくる者ものの外ほか、たれも知しらざる新あたらしき名なを錄しるしたる白しろき石いしを與あたへん」

18 テアテラに在ある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「目めは焰ほのほのごとく、足あしは輝かゞやける眞󠄃鍮しんちゅうの如ごとくなる神かみの子こ、かく言いふ、

19 われ汝なんぢの行爲おこなひおよび汝なんぢの愛あいと信仰しんかうと職つとめと忍󠄄耐にんたいとを知しる、又󠄂またなんぢの初はじめの行爲おこなひよりは後のちの行爲おこなひの多おほきことを知しる。 20 されど我われなんぢに責せむべき所󠄃ところあり、汝なんぢはかの自みづから預言者よげんしゃと稱󠄄となへて我わが僕しもべを敎をしへ惑まどはし、淫行いんかうをなさしめ、偶像󠄃ぐうざうに献さゝげし物ものを食󠄃くらはしむる女をんなイゼベルを容いれおけり。 21 我われかれに悔改くいあらたむる機をりを與あたふれど、その淫行いんかうを悔改くいあらたむることを欲ほっせず。 22 視みよ、我われかれを牀とこに投なげ入いれん、又󠄂またかれと共ともに姦淫かんいんを行おこなふ者ものも、その行爲おこなひを悔改くいあらためずば、大おほいなる患難なやみに投なげ入いれん。 23 又󠄂またかれの子供こどもを打うち殺ころさん、斯かくてもろもろの敎會けうくわいは、わが人ひとの腎むらとと心こゝろとを究きはむる者ものなるを知しるべし、我われは汝なんぢ等らおのおのの行爲おこなひに隨したがひて報むくいん。 24 我われこの他ほかのテアテラの人ひとにして未いまだかの敎をしへを受うけず、所󠄃謂いはゆるサタンの深ふかきところを知しらぬ汝なんぢらに斯かくいふ、我われほかの重おもきを汝なんぢらに負󠄅おはせじ。
 506㌻ 
25 ただ汝なんぢ等らはその有󠄃もつところを我わが到いたらん時ときまで保たもて。 26 勝󠄃かちを得えて終󠄃をはりに至いたるまで我わが命めいぜしことを守まもる者ものには、諸國しょこくの民たみを治をさむる權威󠄂けんゐを與あたへん。 27 彼かれは鐵てつの杖つゑをもて之これを治をさめ、土つちの器うつはを碎くだくが如ごとくならん、我わが父󠄃ちちより我わが受うけたる權威󠄂けんゐのごとし。 28 我われまた彼かれに曙󠄃あけの明星みゃうじゃうを與あたへん。 29 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし」

第3章

1 サルデスに在ある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「神かみの七なゝつの靈れいと七なゝつの星ほしとを持もつ者ものかく言いふ、われ汝なんぢの行爲おこなひを知しる、汝なんぢは生いくる名なあれど死しにたる者ものなり。

2 なんぢ目めを覺さまし、殆ほとんど死しなんとする殘のこりのものを堅かたうせよ、我われなんぢの行爲おこなひのわが神かみの前󠄃まへに全󠄃まったからぬを見みとめたり。 3 されば汝なんぢの如何いかに受うけしか、如何いかに聽ききしかを思おもひいで、之これを守まもりて悔改くいあらためよ。もし目めを覺さまさずば盜人ぬすびとのごとく我われきたらん、汝なんぢわが何いづれの時とききたるかを知しらざるべし。〘369㌻〙 4 然されどサルデスにて衣ころもを汚けがさぬもの數󠄄名すめいあり、彼かれらは白しろき衣ころもを著きて我われとともに步あゆまん、斯かくするに相應ふさはしき者ものなればなり。 5 勝󠄃かちを得うる者ものは斯かくのごとく白しろき衣ころもを著きせられん、我われその名なを生命いのちの書ふみより消󠄃けし落おとさず、我わが父󠄃ちちのまへと御使󠄃みつかひの前󠄃まへとにてその名なを言いひあらはさん。 6 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし」

7 ヒラデルヒヤにある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「聖󠄃せいなるもの眞󠄃まことなる者もの、ダビデの鍵󠄃かぎを持もちて、開ひらけば閉とづる者ものなく、閉とづれば開ひらく者ものなき者ものかく言いふ、

8 われ汝なんぢの行爲おこなひを知しる、視みよ、我われなんぢの前󠄃まへに開ひらけたる門もんを置おく、これを閉とぢ得うる者ものなし。汝なんぢすこしの力ちからありて、我わが言ことばを守まもり、我わが名なを否いなまざりき。
 507㌻ 
9 視みよ、我われサタンの會くわい、すなはち自みづからユダヤ人びとと稱󠄄となへてユダヤ人びとにあらず、ただ虛僞いつはりをいふ者ものの中うちより、或ある者ものをして汝なんぢの足下あしもとに來きたり拜はいせしめ、わが汝なんぢを愛あいせしことを知しらしめん。 10 汝なんぢわが忍󠄄耐にんたいの言ことばを守まもりし故ゆゑに、我われなんぢを守まもりて、地ちに住󠄃すむ者ものどもを試こゝろむるために全󠄃世界ぜんせかいに來きたらんとする試鍊こころみのときに免まぬかれしめん。 11 われ速󠄃すみやかに來きたらん、汝なんぢの有󠄃もつものを守まもりて、汝なんぢの冠冕󠄅かんむりを人ひとに奪うばはれざれ。 12 われ勝󠄃かちを得うる者ものを我わが神かみの聖󠄃所󠄃せいじょの柱󠄃はしらとせん、彼かれは再ふたたび外そとに出いでざるべし、又󠄂またかれの上うへに、わが神かみの名なおよび我わが神かみの都みやこ、すなはち天てんより我わが神かみより降󠄄くだる新あたらしきエルサレムの名なと、我わが新あたらしき名なとを書かき記しるさん。 13 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし」

14 ラオデキヤに在ある敎會けうくわいの使󠄃つかひに書かきおくれ。   「アァメンたる者もの、忠實ちゅうじつなる眞󠄃まことなる證人しょうにん、神かみの造󠄃つくり給たまふものの本源ほんげんたる者ものかく言いふ、

15 われ汝なんぢの行爲おこなひを知しる、なんぢは冷ひやゝかにもあらず熱あつきにもあらず、我われはむしろ汝なんぢが冷ひやゝかならんか、熱あつからんかを願ねがふ。 16 かく熱あつきにもあらず、冷ひやゝかにもあらず、ただ微溫ぬるきが故ゆゑに、我われなんぢを我わが口くちより吐はき出いださん。 17 なんぢ、我われは富とめり、豐ゆたかなり、乏ともしき所󠄃ところなしと言いひて、己おのが惱なやめる者もの・憐あはれむべき者もの・貧󠄃まづしき者もの・盲目めしひなる者もの・裸はだかなる者ものたるを知しらざれば、 18 我われなんぢに勸󠄂すゝむ、なんぢ我われより火ひにて煉ねりたる金きんを買かひて富とめ、白しろき衣ころもを買かひて身みに纒󠄂まとひ、なんぢの裸體はだかの恥はぢを露あらはさざれ、眼藥めぐすりを買かひて汝なんぢの目めに塗ぬり、見みることを得えよ。
 508㌻ 
19 凡すべてわが愛あいする者ものは、我われこれを戒いましめ、之これを懲こらす。この故ゆゑに、なんぢ勵はげみて悔改くいあらためよ。 20 視みよ、われ戶との外そとに立たちて叩たゝく、人ひともし我わが聲こゑを聞ききて戶とを開ひらかば、我われその內うちに入いりて彼かれとともに食󠄃しょくし、彼かれもまた我われとともに食󠄃しょくせん。〘370㌻〙 21 勝󠄃かちを得うる者ものには我われとともに我わが座位くらゐに坐ざすることを許ゆるさん、我われの勝󠄃かちを得えしとき、我わが父󠄃ちちとともに其その御座みくらに坐ざしたるが如ごとし。 22 耳みゝある者ものは御靈みたまの諸しょ敎會けうくわいに言いひ給たまふことを聽きくべし」』

第4章

1 この後のちわれ見みしに、視みよ、天てんに開ひらけたる門もんあり。初はじめに我われに語かたるを聞ききしラッパのごとき聲こゑいふ『ここに登のぼれ、我われこの後のちおこるべき事ことを汝なんぢに示しめさん』 2 直たゞちに、われ御靈みたまに感かんぜしが、視みよ、天てんに御座みくら設まうけあり。 3 その御座みくらに坐ざしたまふ者ものあり、その坐ざし給たまふものの狀さまは碧玉へきぎょく・赤瑪瑙あかめなうのごとく、かつ御座みくらの周󠄃圍󠄃まはりには緑玉りょくぎょくのごとき虹にじありき。 4 また御座みくらのまはりに二十四にじふしの座位くらゐありて、二十四人にじふよにんの長老ちゃうらう、白しろき衣ころもを纒󠄂まとひ、首かうべに金きんの冠冕󠄅かんむりを戴いたゞきて、その座位くらゐに坐ざせり。 5 御座みくらより數󠄄多あまたの電光いなづまと聲こゑと雷霆いかづちと出いづ。また御座みくらの前󠄃まへに燃もえたる七なゝつの燈火ともしびあり、これ神かみの七なゝつの靈れいなり。 6 御座みくらのまへに水晶すゐしゃうに似にたる玻璃はりの海うみあり。御座みくらの中央ちゅうおうと御座みくらの周󠄃圍󠄃まはりとに四よつの活物いきものありて、前󠄃まへも後うしろも數󠄄々かずかずの目めにて滿みちたり。 7 第一だいいちの活物いきものは獅子しゝのごとく、第二だいにの活物いきものは牛うしのごとく、第三だいさんの活物いきものは面かほのかたち人ひとのごとく、第四だいしの活物いきものは飛とぶ鷲わしのごとし。 8 この四よつの活物いきものおのおの六むつの翼󠄅つばさあり、翼󠄅つばさの內うちも外そとも數󠄄々かずかずの目めにて滿みちたり、日ひるも夜よるも絕間たえまなく言いふ、 『聖󠄃せいなるかな、聖󠄃せいなるかな、聖󠄃せいなるかな、 昔むかし在いまし、今いま在いまし、後のち來きたりたまふ主しゅたる全󠄃能ぜんのうの神かみ』
 509㌻ 
9 この活物いきものら御座みくらに坐ざし、世々よよ限かぎりなく活いきたまふ者ものに榮光えいくわうと尊󠄅崇たふときとを歸きし、感謝󠄃かんしゃする時とき、 10 二十四人にじふよにんの長老ちゃうらう、御座みくらに坐ざしたまふ者もののまへに伏ふし、世々よよ限かぎりなく活いきたまふ者ものを拜はいし、おのれの冠冕󠄅かんむりを御座みくらのまへに投なげ出いだして言いふ、 11 『我われらの主しゅなる神かみよ、榮光えいくわうと尊󠄅崇たふときと能力ちからとを受うけ給たまふは宜うべなり。汝なんぢは萬物ばんもつを造󠄃つくりたまひ、萬物ばんもつは御意みこゝろによりて存そんし、かつ造󠄃つくられたり』

第5章

1 我われまた御座みくらに坐ざし給たまふ者ものの右みぎの手てに、卷まき物もののあるを見みたり、その裏表うらおもてに文󠄃字もじあり、七なゝつの印いんをもて封ふうぜらる。 2 また大聲おほごゑに『卷まき物ものを開ひらきてその封印ふういんを解とくに相應ふさはしき者ものは誰たれぞ』と呼よばはる强つよき御使󠄃みつかひを見みたり。 3 然しかるに天てんにも地ちにも、地ちの下したにも、卷まき物ものを開ひらきて之これを見み得うる者ものなかりき。 4 卷まき物ものを開ひらき、これを見みるに相應ふさはしき者ものの見みえざりしに因よりて、我われいたく泣なきゐたりしに、 5 長老ちゃうらうの一人ひとりわれに言いふ『泣なくな、視みよ、ユダの族やからの獅子しゝ・ダビデの萠蘖ひこばえ、すでに勝󠄃かちを得えて卷まき物ものとその七なゝつの封印ふういんとを開ひらき得うるなり』〘371㌻〙 6 我われまた御座みくらおよび四よつの活物いきものと長老ちゃうらうたちとの間あひだに、屠󠄃ほふられたるが如ごとき羔羊こひつじの立たてるを見みたり、之これに七なゝつの角つのと七なゝつの目めとあり、この目めは全󠄃世界ぜんせかいに遣󠄃つかはされたる神かみの七なゝつの靈れいなり。 7 かれ來きたりて御座みくらに坐ざしたまふ者ものの右みぎの手てより卷まき物ものを受うけたり。 8 卷まき物ものを受うけたるとき、四よつの活物いきものおよび二十四人にじふよにんの長老ちゃうらう、おのおの立琴たてごとと香かうの滿みちたる金きんの鉢はちとをもちて、羔羊こひつじの前󠄃まへに平󠄃伏ひれふせり、此この香かうは聖󠄃徒せいとの祈禱いのりなり。 9 斯かくて新あたらしき歌うたを謳うたひて言いふ 『なんぢは卷まき物ものを受うけ、その封印ふういんを解とくに相應ふさはしきなり、汝なんぢは屠󠄃ほふられ、その血ちをもて諸種もろもろの族やから・國語くにことば・民たみ・國くにの中うちより人々ひとびとを神かみのために買かひ、 10 之これを我われらの神かみのために[*]國民こくみんとなし、祭司さいしとなし給たまへばなり。彼かれらは地ちの上うへに王わうとなるべし』[*異本「王」とあり。]
 510㌻ 

11 我われまた見みしに、御座みくらと活物いきものと長老ちゃうらうたちとの周󠄃圍󠄃まはりにをる多おほくの御使󠄃みつかひの聲こゑを聞きけり。その數󠄄かず千々萬々せんせんまんまんにして、 12 大聲おほごゑにいふ 『屠󠄃ほふられ給たまひし羔羊こひつじこそ、能力ちからと富とみと知慧󠄄ちゑと勢威󠄂いきほひと尊󠄅崇たうときと榮光えいくわうと讃美さんびとを受うくるに相應ふさはしけれ』 13 我われまた天てんに、地ちに、地ちの下したに、海うみにある萬よろづの造󠄃つくられたる物もの、また凡すべてその中うちにある物ものの云いへるを聞きけり。曰いはく 『願ねがはくは御座みくらに坐ざし給たまふものと羔羊こひつじとに、讃美さんびと尊󠄅崇たうときと榮光えいくわうと權力ちからと世々よゝ限かぎりなくあらん事ことを』 14 四よつの活物いきものはアァメンと言いひ、長老ちゃうらうたちは平󠄃伏ひれふして拜はいせり。

第6章

1 羔羊こひつじその七なゝつの封印ふういんの一ひとつを解とき給たまひし時とき、われ見みしに、四よつの活物いきものの一ひとつが雷霆いかづちのごとき聲こゑして『來きたれ』と言いふを聞きけり。 2 また見みしに、視みよ、白しろき馬うまあり、之これに乘のるもの弓ゆみを持もち、かつ冠冕󠄅かんむりを與あたへられ、勝󠄃かちて復また勝󠄃かたんとて出いでゆけり。

3 第二だいにの封印ふういんを解とき給たまひたれば、第二だいにの活物いきものの『來きたれ』と言いふを聞きけり。 4 斯かくて赤あかき馬うまいで來きたり、これに乘のるもの、地ちより平󠄃和へいわを奪うばひ取とることと、人ひとをして互たがひに殺ころさしむる事こととを許ゆるされ、また大おほいなる劍つるぎを與あたへられたり。〘372㌻〙

5 第三だいさんの封印ふういんを解とき給たまひたれば、第三だいさんの活物いきものの『來きたれ』と言いふを聞きけり。われ見みしに、視みよ、黑くろき馬うまあり、之これに乘のるもの手てに權衝はかりを持もてり。 6 斯かくて、われ四よつの活物いきものの間あひだより出いづるごとき聲こゑを聞きけり。曰いはく『小麥こむぎ五合ごがふは一いちデナリ、大麥おほむぎ一升いちしょう五合ごがふは一いちデナリなり、油あぶらと葡萄酒ぶだうしゅとを害󠄅そこなふな』
 511㌻ 

7 第四だいしの封印ふういんを解とき給たまひたれば、第四だいしの活物いきものの『來きたれ』と言いふを聞きけり。 8 われ見みしに、視みよ、靑あをざめたる馬うまあり、之これに乘のる者ものの名なを死しといひ、陰府よみこれに隨したがふ、かれらは地ちの四し分󠄃ぶんの一いちを支󠄂配󠄃しはいし、劍つるぎと饑󠄃饉ききんと死しと地ちの獸けものとをもて、人ひとを殺ころすことを許ゆるされたり。

9 第五だいごの封印ふういんを解とき給たまひたれば、曾かつて神かみの言ことばのため、又󠄂またその立たてし證あかしのために殺ころされし者ものの靈魂たましひの祭壇さいだんの下したに在あるを見みたり。 10 彼かれら大聲おほごゑに呼よばはりて言いふ『聖󠄃せいにして眞󠄃まことなる主しゅよ、何時いつまで審さばかずして地ちに住󠄃すむ者ものに我われらの血ちの復讐ふくしうをなし給たまはぬか』 11 爰こゝにおのおの白しろき衣ころもを與あたへられ、かつ己おのれ等らのごとく殺ころされんとする同おなじ僕しもべたる者ものと兄弟きゃうだいとの數󠄄かずの滿みつるまで、なほ暫しばらく安やすんじて待まつべきを言いひ聞きけられたり。

12 第六だいろくの封印ふういんを解とき給たまひし時とき、われ見みしに、大おほいなる地震ぢしんありて、日ひは荒あらき毛け布ぬののごとく黑くろく、月󠄃つきは全󠄃面ぜんめん血ちの如ごとくなり、 13 天てんの星ほしは無花果いちぢくの樹きの大風おほかぜに搖ゆられて生なり後おくれの果みの落おつるごとく地ちにおち、 14 天てんは卷まき物ものを捲まくごとく去さりゆき、山やまと島しまとは悉ことごとくその處ところを移うつされたり。 15 地ちの王わうたち・大臣だいじん・將校󠄃しゃうかう・富とめる者もの・强つよき者もの・奴隷どれい・自主じしゅの人ひとみな洞ほらと山やまの巖間いはまとに匿かくれ、 16 山やまと巖いはとに對むかひて言いふ『請󠄃こふ我われらの上うへに墜おちて、御座みくらに坐ざしたまふ者ものの御顏みかほより、羔羊こひつじの怒いかりより、我われらを隱かくせ。 17 そは御怒みいかりの大おほいなる日ひ旣󠄁すでに來きたればなり。誰たれか立たつことを得えん』

第7章

1 この後のち、われ四人よにんの御使󠄃みつかひの地ちの四隅よすみに立たつを見みたり、彼かれらは地ちの四方しはうの風かぜを引止ひきとめて、地ちにも海うみにも諸種もろもろの樹きにも風かぜを吹ふかせざりき。 2 また他ほかの一人ひとりの御使󠄃みつかひの、いける神かみの印いんを持もちて日ひの出いづる方かたより登のぼるを見みたり、かれ地ちと海うみとを害󠄅そこなふ權けんを與あたへられたる四人よにんの御使󠄃みつかひにむかひ、大聲おほごゑに呼よばはりて言いふ、
 512㌻ 
3 『われらが我われらの神かみの僕しもべの額ひたひに印いんするまでは、地ちをも海うみをも樹きをも害󠄅そこなふな』 4 われ印いんせられたる者ものの數󠄄かずを聽ききしに、イスラエルの子こ等らのもろもろの族やからの中うちにて、印いんせられたるもの合あはせて十四萬じふしまん四千しせんあり。 5 ユダの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん印いんせられ、 ルベンの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 ガドの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、〘373㌻〙 6 アセルの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 ナフタリの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 マナセの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 7 シメオンの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 レビの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 イサカルの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 8 ゼブルンの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 ヨセフの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん、 ベニヤミンの族やからの中うちにて一萬いちまん二千にせん印いんせられたり。 9 この後のちわれ見みしに、視みよ、もろもろの國くに・族やから・民たみ・國語くにことばの中うちより、誰たれも數󠄄かぞへつくすこと能あたはぬ大おほいなる群衆ぐんじゅう、しろき衣ころもを纒󠄂まとひて手てに棕梠しゅろの葉はをもち、御座みくらと羔羊こひつじとの前󠄃まへに立たち、 10 大聲おほごゑに呼よばはりて言いふ『救すくひは御座みくらに坐ざしたまふ我われらの神かみと羔羊こひつじとにこそ在あれ』 11 御使󠄃みつかひみな御座みくらおよび長老ちゃうらうたちと四よつの活物いきものとの周󠄃圍󠄃まはりに立たちて、御座みくらの前󠄃まへに平󠄃伏ひれふし神かみを拜はいして言いふ、 12 『アァメン、讃美さんび・榮光えいくわう・知慧󠄄ちゑ・感謝󠄃かんしゃ・尊󠄅貴たふとき・能力ちから・勢威󠄂いきほひ、世々よゝ限かぎりなく我われらの神かみにあれ、アァメン』 13 長老ちゃうらうたちの一人ひとりわれに向むかひて言いふ『この白しろき衣ころもを著きたるは如何いかなる者ものにして何處いづこより來きたりしか』 14 我われいふ『わが主しゅよ、なんぢ知しれり』かれ言いふ『かれらは大おほいなる患難なやみより出いできたり、羔羊こひつじの血ちに己おのが衣ころもを洗あらひて白しろくしたる者ものなり。 15 この故ゆゑに神かみの御座みくらの前󠄃まへにありて、晝ひるも夜よるもその聖󠄃所󠄃せいじょにて神かみに事つかふ。御座みくらに坐ざしたまふ者ものは彼かれらの上うへに幕屋まくやを張はり給たまふべし。 16 彼かれらは重かさねて飢󠄄うゑず、重かさねて渇かわかず、日ひも熱ねつも彼かれらを侵󠄃をかすことなし。
 513㌻ 
17 御座みくらの前󠄃まへにいます羔羊こひつじは、彼かれらを牧ぼくして生命いのちの水みづの泉いづみにみちびき、神かみは彼かれらの目めより凡すべての淚なみだを拭ぬぐひ給たまふべければなり』

第8章

1 第七だいしちの封印ふういんを解とき給たまひたれば、凡おほよそ半󠄃時はんときのあひだ天てん靜しづかなりき。 2 われ神かみの前󠄃まへに立たてる七人しちにんの御使󠄃みつかひを見みたり、彼かれらは七なゝつのラッパを與あたへられたり。

3 また他ほかの一人ひとりの御使󠄃みつかひ、金きんの香爐かうろを持もちきたりて祭壇さいだんの前󠄃まへに立たち、多おほくの香かうを與あたへられたり。これは凡すべての聖󠄃徒せいとの祈いのりに加くはへて御座みくらの前󠄃まへなる金きんの香壇かうだんの上うへに献さゝげんためなり。 4 而しかして香かうの煙󠄃けむり、御使󠄃みつかひの手てより聖󠄃徒せいとたちの祈いのりとともに神かみの前󠄃まへに上のぼれり。〘374㌻〙 5 御使󠄃みつかひその香爐かうろをとり之これに祭壇さいだんの火ひを盛󠄃もりて地ちに投なげたれば、數󠄄多あまたの雷霆いかづちと聲こゑと電光いなづまと、また地震ぢしんおこれり。

6 ここに七なゝつのラッパをもてる七人しちにんの御使󠄃みつかひこれを吹ふく備そなへをなせり。

7 第一だいいちの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、血ちの混まじりたる雹へうと火ひとありて、地ちにふりくだり、地ちの三分󠄃さんぶんの一いち燒やけ失うせ、樹きの三分󠄃さんぶんの一いち燒やけ失うせ、もろもろの靑あを草くさ燒やけ失うせたり。

8 第二だいにの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、火ひにて燃もゆる大おほいなる山やまの如ごときもの海うみに投なげ入いれられ、海うみの三分󠄃さんぶんの一いち血ちに變へんじ、 9 海うみの中なかの造󠄃つくられたる生命いのちあるものの三分󠄃さんぶんの一いち死しに、船󠄄ふねの三分󠄃さんぶんの一いち滅ほろびたり。

10 第三だいさんの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、燈火ともしびのごとく燃もゆる大おほいなる星ほし天てんより隕おちきたり、川かはの三分󠄃さんぶんの一いちと水みづの源泉みなもととの上うへにおちたり。
 514㌻ 
11 この星ほしの名なは苦艾にがよもぎといふ。水みづの三分󠄃さんぶんの一いちは苦艾にがよもぎとなり、水みづの苦にがくなりしに因よりて多おほくの人ひと死しにたり。

12 第四だいしの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、日ひの三分󠄃さんぶんの一いちと月󠄃つきの三分󠄃さんぶんの一いちと星ほしの三分󠄃さんぶんの一いちと擊うたれて、その三分󠄃さんぶんの一いちは暗󠄃くらくなり、晝ひるも三分󠄃さんぶんの一いちは光ひかりなく、夜よるも亦またおなじ。

13 また見みしに、一ひとつの鷲わしの中空󠄃なかぞらを飛とび、大おほいなる聲こゑして言いふを聞きけり。曰いはく『地ちに住󠄃すめる者ものどもは禍害󠄅わざはひなるかな、禍害󠄅わざはひなるかな、禍害󠄅わざはひなるかな、尙なほほかに三人さんにんの御使󠄃みつかひの吹ふかんとするラッパの聲こゑあるに因よりてなり』

第9章

1 第五だいごの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、われ一ひとつの星ほしの天てんより地ちに隕おちたるを見みたり。この星ほしは底そこなき坑あなの鍵󠄃かぎを與あたへられたり。 2 斯かくて底そこなき坑あなを開ひらきたれば、大おほいなる爐ろの煙󠄃けむりのごとき煙󠄃けむり、坑あなより立たちのぼり、日ひも空󠄃そらも坑あなの煙󠄃けむりにて暗󠄃くらくなれり。 3 煙󠄃けむりの中うちより蝗いなご地上ちじゃうに出いでて、地ちの蝎さそりのもてる力ちからのごとき力ちからを與あたへられ、 4 地ちの草くさ、すべての靑あをきもの又󠄂またすべての樹きを害󠄅そこなふことなく、ただ額ひたひに神かみの印いんなき人ひとをのみ害󠄅そこなふことを命めいぜられたり。 5 然されど彼かれらを殺ころすことを許ゆるされず、五月󠄃いつつきのあひだ苦くるしむることを許ゆるさる、その苦痛くるしみは蝎さそりに刺さされたる苦痛くるしみのごとし。 6 このとき人々ひとびと、死しを求もとむとも見出みいださず、死しなんと欲ほっすとも死しは逃󠄄にげ去さるべし。 7 かの蝗いなごの形かたちは戰爭いくさの爲ために具󠄄そなへたる馬うまのごとく、頭かしらには金きんに似にたる冠冕󠄅かんむりの如ごときものあり、顏かほは人ひとの顏かほのごとく、 8 之これに女をんなの頭髮かみのけのごとき頭髮かみのけあり、齒はは獅子しゝの齒はのごとし。 9 また鐵てつの胸當むねあてのごとき胸當むねあてあり、その翼󠄅つばさの音󠄃おとは軍車いくさぐるまの轟とゞろくごとく、多おほくの馬うまの戰鬪たゝかひに馳はせゆくが如ごとし。〘375㌻〙 10 また蝎さそりのごとき尾をありて之これに刺はりあり、この尾をに五月󠄃いつつきのあひだ人ひとを害󠄅そこなふ力ちからあり。
 515㌻ 
11 この蝗いなごに王わうあり。底そこなき所󠄃ところの使󠄃つかひにして名なをヘブル語ごにてアバドンと云いひ、ギリシヤ語ごにてアポルオンと云いふ。

12 第一だいいちの禍害󠄅わざはひすぎ去されり、視みよ、此この後のちなほ二ふたつの禍害󠄅わざはひきたらん。

13 第六だいろくの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、神かみの前󠄃まへなる金きんの香壇かうだんの四よつの角つのより聲こゑありて、 14 ラッパを持もてる第六だいろくの御使󠄃みつかひに『大おほいなるユウフラテ川がはの邊󠄎ほとりに繋つながれをる四人よにんの御使󠄃みつかひを解とき放はなて』と言いふを聞きけり。 15 斯かくてその時とき、その日ひ、その月󠄃つき、その年としに至いたりて、人ひとの三分󠄃さんぶんの一いちを殺ころさん爲ために備そなへられたる四人よにんの御使󠄃みつかひは、解とき放はなたれたり。 16 騎兵きへいの數󠄄かずは二億におくなり、我われその數󠄄かずを聞きけり。 17 われ幻影まぼろしにてその馬うまと之これに乘のる者ものとを見みしに、彼かれらは火ひ・煙󠄃けむり・硫黃いわうの色いろしたる胸當むねあてを著つく。馬うまの頭かしらは獅子しゝの頭かしらのごとくにて、その口くちよりは火ひと煙󠄃けむりと硫黃いわうと出いづ。 18 この三みつの苦痛くるしみ、すなはち其その口くちより出いづる火ひと煙󠄃けむりと硫黃いわうとに因よりて人ひとの三分󠄃さんぶんの一いち殺ころされたり。 19 馬うまの力ちからはその口くちとその尾をとにあり、その尾をは蛇へびの如ごとくにして頭かしらあり、之これをもて人ひとを害󠄅そこなふなり。 20 これらの苦痛くるしみにて殺ころされざりし殘のこりの人々ひとびとは、おのが手ての業わざを悔改くいあらためずして、なほ惡鬼あくきを拜はいし、見みること、聞きくこと、步あゆむこと能あたはぬ、金きん・銀ぎん・銅どう・石いし・木きの偶像󠄃ぐうざうを拜はいせり、 21 又󠄂またその殺人ひとごろし・咒術󠄃まじわざ・淫行いんかう・竊盜ぬすみを悔改くいあらためざりき。

第10章

1 我われまた一人ひとりの强つよき御使󠄃みつかひの雲くもを著きて天てんより降󠄄くだるを見みたり。その頭かしらの上うへに虹にじあり、その顏かほは日ひの如ごとく、その足あしは火ひの柱󠄃はしらのごとし。 2 その手てには展ひらきたる小ちひさき卷まき物ものをもち、右みぎの足あしを海うみの上うへにおき、左ひだりの足あしを地ちの上うへにおき、 3 獅子ししの吼ほゆる如ごとく大聲おほごゑに呼よばはれり、呼よばはりたるとき七なゝつの雷霆いかづちおのおの聲こゑを出いだせり。 4 七なゝつの雷霆いかづちの語かたりし時とき、われ書かき記しるさんとせしに、天てんより聲こゑありて『七なゝつの雷霆いかづちの語かたりしことは封ふうじて書かき記しるすな』といふを聞きけり。
 516㌻ 
5 斯かくて我わが見みしところの海うみと地ちとに跨またがり立たてる御使󠄃みつかひは、天てんにむかひて右みぎの手てを擧あげ、 6 天てんおよび其その中なかに在あるもの、地ちおよび其その中なかにあるもの、海うみおよび其その中なかにある物ものを造󠄃つくり給たまひし世々よよ限かぎりなく生いきたまふ者ものを指さし、誓ちかひて言いふ『この後のち、時ときは延󠄅のぶることなし。 7 第七だいしちの御使󠄃みつかひの吹ふかんとするラッパの聲こゑの出いづる時ときに至いたりて、神かみの僕しもべなる預言者よげんしゃたちに示しめし給たまひし如ごとく、その奧義おくぎは成󠄃就じゃうじゅせらるべし』 8 斯かくて我わが前󠄃さきに天てんより聞ききし聲こゑのまた我われに語かたりて『なんぢ往󠄃ゆきて海うみと地ちとに跨またがり立たてる御使󠄃みつかひの手てにある展ひらきたる卷まき物ものを取とれ』と言いふを聞きけり。〘376㌻〙 9 われ御使󠄃みつかひのもとに往󠄃ゆきて小ちひさき卷まき物ものを我われに與あたへんことを請󠄃こひたれば、彼かれいふ『これを取とりて食󠄃くらひ盡つくせ、さらば汝なんぢの腹はら苦にがくならん、然されど其その口くちには蜜みつのごとく甘あまからん』 10 われ御使󠄃みつかひの手てより小ちひさき卷まき物ものをとりて食󠄃くらひ盡つくしたれば、口くちには蜜みつのごとく甘あまかりしが、食󠄃くらひし後のちわが腹はらは苦にがくなれり。 11 また或ある物ものわれに言いふ『なんぢ再ふたゝび多おほくの民たみ・國くに・國語くにことば・王わうたちに就つきて預言よげんすべし』

第11章

1 爰こゝに、われ杖つゑのごとき間竿けんざをを與あたへられたり、斯かくて或ある者ものいふ『立たちて神かみの聖󠄃所󠄃せいじょと香壇かうだんと其處そこに拜はいする者ものどもとを度はかれ、 2 聖󠄃所󠄃せいじょの外そとの庭󠄄にはは差措さしおきて度はかるな、これは異邦󠄆人いはうじんに委ゆだねられたり、彼かれらは四十しじふ二个月󠄃にかげつのあひだ聖󠄃せいなる都みやこを蹂躪ふみにじらん。 3 我われわが二人ふたりの證人しょうにんに權けんを與あたへん、彼かれらは荒布あらぬのを著きて千二百せんにひゃく六十日ろくじふにちのあひだ預言よげんすべし。 4 彼かれらは地ちの主しゅの御前󠄃みまへに立たてる二ふたつのオリブの樹き、二ふたつの燈臺とうだいなり。 5 もし彼かれらを害󠄅そこなはんとする者ものあらば、火ひその口くちより出いでてその敵てきを焚やき盡つくさん。もし彼かれらを害󠄅そこなはんとする者ものあらば、必かならず斯かくのごとく殺ころさるべし。
 517㌻ 
6 彼かれらは預言よげんするあひだ雨あめを降󠄄ふらせぬやうに天てんを閉とづる權力ちからあり、また水みづを血ちに變かはらせ、思おもふままに幾度いくたびにても諸種もろもろの苦難くるしみをもて地ちを擊うつ權力ちからあり。 7 彼かれ等らがその證あかしを終󠄃をへんとき底そこなき所󠄃ところより上のぼる獸けものありて之これと戰鬪たゝかひをなし、勝󠄃かちて之これを殺ころさん。 8 その屍體しかばねは大おほいなる都みやこの衢ちまたに遺󠄃のこらん。この都みやこを譬たとへてソドムと云いひ、エジプトと云いふ、即すなはち彼かれらの主しゅもまた十字架じふじかに釘つけられ給たまひし所󠄃ところなり。 9 もろもろの民たみ・族やから・國語くにことば・國くにのもの、三日半󠄃みっかはんの間あひだその屍體しかばねを見み、かつ其その屍體しかばねを墓はかに葬はうむることを許ゆるさざるべし。 10 地ちに住󠄃すむ者ものどもは彼かれらに就つきて喜よろこび樂たのしみ互たがひに禮物れいもつを贈おくらん、此この二人ふたりの預言者よげんしゃは地ちに住󠄃すむ者ものを苦くるしめたればなり』 11 三日半󠄃みっかはんののち生命いのちの息いき、神かみより出いでて彼かれらに入いり、かれら足あしにて起󠄃たちたれば、之これを見みるもの大おほいに懼おそれたり。 12 天てんより大おほいなる聲こゑして『ここに昇のぼれ』と言いふを彼かれら聞ききたれば、雲くもに乘のりて天てんに昇のぼれり、その敵てきも之これを見みたり、 13 このとき大おほいなる地震ぢしんありて、都みやこの十分󠄃じふぶんの一いちは倒たふれ、地震ぢしんのために死しにしもの七しち千せん人にんにして、遺󠄃のこれる者ものは懼おそれをいだき、天てんの神かみに榮光えいくわうを歸きしたり。

14 第二だいにの禍害󠄅わざはひすぎ去されり、視みよ、第三だいさんの禍害󠄅わざはひすみやかに來きたるなり。〘377㌻〙

15 第七だいしちの御使󠄃みつかひラッパを吹ふきしに、天てんに數󠄄多あまたの大おほいなる聲こゑありて『この世よの國くには我われらの主しゅおよび其そのキリストの國くにとなれり。彼かれは世々よゝ限かぎりなく王わうたらん』と言いふ。 16 かくて神かみの前󠄃まへにて座位くらゐに坐ざする二十四人にじふよにんの長老ちゃうらうひれふし神かみを拜はいして言いふ、 17 『今いまいまし昔むかしいます主しゅたる全󠄃能ぜんのうの神かみよ、なんぢの大おほいなる能力ちからを執とりて王わうと成󠄃なり給たまひしことを感謝󠄃かんしゃす。
 518㌻ 
18 諸國しょこくの民たみ、怒いかりを懷いだけり、なんぢの怒いかりも亦またいたれり、死しにたる者ものを審さばき、なんぢの僕しもべなる預言者よげんしゃおよび聖󠄃徒せいと、また小せうなるも大だいなるも汝なんぢの名なを畏おそるる者ものに報賞むくいをあたへ、地ちを亡ほろぼす者ものを亡ほろぼしたまふ時ときいたれり』 19 斯かくて天てんにある神かみの聖󠄃所󠄃せいじょひらけ、聖󠄃所󠄃せいじょのうちに契󠄅約けいやくの櫃ひつ見みえ、數󠄄多あまたの電光いなづまと聲こゑと雷霆いかづちと、また地震ぢしんと大おほいなる雹へうとありき。

第12章

1 また天てんに大おほいなる徴しるし見みえたり。日ひを著きたる女をんなありて其その足あしの下したに月󠄃つきあり、其その頭かしらに十二じふにの星ほしの冠冕󠄅かんむりあり。 2 かれは孕みごもりをりしが、子こを產うまんとして產うみの苦痛くるしみと惱なやみとのために叫さけべり、 3 また天てんに他ほかの徴しるし見みえたり。視みよ、大おほいなる赤あかき龍󠄇たつあり、これに七なゝつの頭かしらと十とをの角つのとありて頭かしらには七なゝつの冠冕󠄅かんむりあり。 4 その尾をは天てんの星ほしの三分󠄃さんぶんの一いちを引ひきて之これを地ちに落おとせり。龍󠄇たつは子こを產うまんとする女をんなの前󠄃まへに立たち、產うむを待まちて其その子こを食󠄃くひ盡つくさんと構󠄃かまへたり。 5 女をんなは男子なんしを產うめり、この子こは鐵てつの杖つゑもて諸種もろもろの國人くにびとを治をさめん。かれは神かみの許もとに、その御座みくらの下もとに擧あげられたり。 6 女をんなは荒野あらのに逃󠄄にげゆけり。彼處かしこに千二百せんにひゃく六十日ろくじふにちの間あひだかれが養󠄄やしなはるる爲ために神かみの備そなへ給たまへる所󠄃ところあり。

7 斯かくて天てんに戰爭いくさおこれり、ミカエル及およびその使󠄃つかひたち龍󠄇たつとたたかふ。龍󠄇たつもその使󠄃つかひたちも之これと戰たゝかひしが、 8 勝󠄃かつこと能あたはず、天てんには、はや其その居をる所󠄃ところなかりき。 9 かの大おほいなる龍󠄇たつ、すなはち惡魔󠄃あくまと呼よばれ、サタンと呼よばれたる全󠄃世界ぜんせかいをまどはす古ふるき蛇へびは落おとされ、地ちに落おとされ、その使󠄃つかひたちも共ともに落おとされたり。 10 我われまた天てんに大おほいなる聲こゑありて『われらの神かみの救すくひと能力ちからと國くにと神かみのキリストの權威󠄂けんゐとは、今いますでに來きたれり。我われらの兄弟きゃうだいを訴うったへ、夜晝よるひるわれらの神かみの前󠄃まへに訴うったふるもの落おとされたり。
 519㌻ 
11 而しかして兄弟きゃうだいたちは羔羊こひつじの血ちと己おのが證あかしの言ことばとによりて勝󠄃かち、死しに至いたるまで己おのが生命いのちを惜をしまざりき。〘378㌻〙 12 この故ゆゑに天てんおよび天てんに住󠄃すめる者ものよ、よろこべ、地ちと海うみとは禍害󠄅わざはひなるかな、惡魔󠄃あくまおのが時ときの暫時しばしなるを知しり、大おほいなる憤恚いきどほりを懷いだきて汝なんぢ等らのもとに下くだりたればなり』と云いふを聞きけり。

13 斯かくて龍󠄇たつはおのが地ちに落おとされしを見みて男子なんしを生うみし女をんなを責せめたりしが、 14 女をんなは荒野あらのなる己おのが處ところに飛とぶために大おほいなる鷲わしの兩ふたつの翼󠄅つばさを與あたへられたれば、其處そこにいたり、一年いちねん、二年にねん、また半󠄃年はんねんのあひだ蛇へびのまへを離はなれて養󠄄やしなはれたり。 15 蛇へびはその口くちより水みづを川かはのごとく、女をんなの背後うしろに吐はきて之これを流ながさんとしたれど、 16 地ちは女をんなを助たすけ、その口くちを開ひらきて龍󠄇たつの口くちより吐はきたる川かはを呑のみ盡つくせり。 17 龍󠄇たつは女をんなを怒いかりてその裔すゑの殘のこれるもの、即すなはち神かみの誡命いましめを守まもり、イエスの證あかしを有󠄃もてる者ものに戰鬪たゝかひを挑いどまんとて出いでゆき、 18 海邊󠄎うみべの砂すなの上うへに立たてり。

第13章

1 我われまた一ひとつの獸けものの海うみより上のぼるを見みたり。之これに十とをの角つのと七なゝつの頭かしらとあり、その角つのに十とをの冠冕󠄅かんむりあり、頭かしらの上うへには神かみを瀆けがす名なあり。 2 わが見みし獸けものは豹󠄂へうに似にて、その足あしは熊くまのごとく、その口くちは獅子しゝの口くちのごとし。龍󠄇たつは、これに己おのが能力ちからと己おのが座位くらゐと大おほいなる權威󠄂けんゐとを與あたへたり。 3 我われその頭かしらの一ひとつ傷きずつけられて死しぬばかりなるを見みしが、その死しぬべき傷きずいやされたれば、全󠄃地ぜんちの者ものこれを怪あやしみて獸けものに從したがへり。 4 また龍󠄇たつおのが權威󠄂けんゐを獸けものに與あたへしによりて彼かれら龍󠄇たつを拜はいし、且かつその獸けものを拜はいして言いふ『たれか此この獸けものに等ひとしき者ものあらん、誰たれか之これと戰たゝかふことを得えん』 5 獸けものまた大言たいげんと瀆言けがしごととを語かたる口くちを與あたへられ、四十しじふ二个月󠄃にかげつのあひだ働はたらく權威󠄂けんゐを與あたへらる。 6 彼かれは口くちをひらきて神かみを瀆けがし、又󠄂またその御名みなとその幕屋まくやすなはち天てんに住󠄃すむ者ものどもとを瀆けがし、
 520㌻ 
7 また聖󠄃徒せいとに戰鬪たゝかひを挑いどみて、之これに勝󠄃かつことを許ゆるされ、且かつもろもろの族やから・民たみ・國語くにことば・國くにを掌つかさどる權威󠄂けんゐを與あたへらる。 8 凡すべて地ちに住󠄃すむ者ものにて其その名なを、屠󠄃ほふられ給たまひし羔羊こひつじの生命いのちの書ふみに、世よの創はじめより記しるされざる者ものは、これを拜はいせん。 9 人ひともし耳みあらば聽きくべし。 10 虜とりこに[*]せらるべき者ものは虜とりこにせられん、劍つるぎにて殺ころす者ものは、おのれも劍つるぎにて殺ころさるべし、聖󠄃徒せいとたちの忍󠄄耐にんたいと信仰しんかうとは茲こゝにあり。[*異本「人を虜にする者は己も虜にせられ」とあり。]

11 我われまた他ほかの獸けものの地ちより上のぼるを見みたり。これに羔羊こひつじのごとき角つの二ふたつありて龍󠄇たつのごとく語かたり、 12 先さきの獸けものの凡すべての權威󠄂けんゐを彼かれの前󠄃まへにて行おこなひ、地ちと地ちに住󠄃すむ者ものとをして死しぬべき傷きずの醫いやされたる先さきの獸けものを拜はいせしむ。 13 また大おほいなる徴しるしをおこなひ、人々ひとびとの前󠄃まへにて火ひを天てんより地ちに降󠄄ふらせ、 14 かの獸けものの前󠄃まへにて行おこなふことを許ゆるされし徴しるしをもて地ちに住󠄃すむ者ものどもを惑まどはし、劍つるぎにうたれてなほ生いける獸けものの像󠄃ざうを造󠄃つくることを地ちに住󠄃すむ者ものどもに命めいじたり。〘379㌻〙 15 而しかしてその獸けものの像󠄃ざうに息いきを與あたへて物もの言いはしめ、且かつその獸けものの像󠄃ざうを拜はいせぬ者ものをことごとく殺ころさしむる事ことを許ゆるされ、 16 また凡すべての人ひとをして、大小だいせう・貧󠄃富ひんぷ・自主じしゅ・奴隷どれいの別わかちなく、或あるひはその右みぎの手て、あるいは其その額ひたひに徽章しるしを受うけしむ。 17 この徽章しるしを有󠄃もたぬ凡すべての者ものに賣買うりかひすることを得えざらしめたり。その徽章しるしは獸けものの名な、もしくは其その名なの數󠄄字すうじなり。 18 智慧󠄄ちゑは茲こゝにあり、心こゝろある者ものは獸けものの數󠄄字すうじを算かぞへよ。獸けものの數󠄄字すうじは人ひとの數󠄄字すうじにして、その數󠄄字すうじは六ろく百ひゃく六十ろくじふ六ろくなり。

第14章

1 われ見みしに、視みよ、羔羊こひつじシオンの山やまに立たちたまふ。十四萬じふしまん四千しせんの人ひとこれと偕ともに居をり、その額ひたひには羔羊こひつじの名なおよび羔羊こひつじの父󠄃ちちの名な、記しるしあり。
 521㌻ 
2 われ天てんよりの聲こゑを聞きけり、多おほくの水みづの音󠄃おとのごとく、大おほいなる雷霆いかづちの聲こゑのごとし。わが聞ききし此この聲こゑは彈琴者ことひきの立琴たてごとを彈ひく音󠄃おとのごとし。 3 かれら新あたらしき歌うたを御座みくらの前󠄃まへおよび四よつの活物いきものと長老ちゃうらう等たちとの前󠄃まへにて歌うたふ。この歌うたは地ちより贖あがなはれたる十四萬じふしまん四千しせん人にんの他ほかは誰たれも學まなびうる者ものなかりき。 4 彼かれらは女をんなに汚けがされぬ者ものなり、潔󠄄きよき者ものなり、何處いづこにまれ羔羊こひつじの往󠄃ゆき給たまふところに隨したがふ。彼かれらは人ひとの中うちより贖あがなはれて神かみと羔羊こひつじとのために初穗はつほとなれり。 5 その口くちに虛僞いつはりなし、彼かれらは瑕きずなき者ものなり。

6 我われまた他ほかの御使󠄃みつかひの中空󠄃なかぞらを飛とぶを見みたり。かれは地ちに住󠄃すむもの、即すなはちもろもろの國くに・族やから・國語くにことば・民たみに宣傳のべつたへんとて永遠󠄄とこしへの福音󠄃ふくいんを携たづさへ、 7 大聲おほごゑにて言いふ『なんぢら神かみを畏おそれ、神かみに榮光えいくわうを歸きせよ。その審判󠄄さばきのとき旣󠄁すでに至いたりたればなり。汝なんぢら天てんと地ちと海うみと水みづの源泉みなもととを造󠄃つくり給たまひし者ものを拜はいせよ』

8 ほかの第二だいにの御使󠄃みつかひかれに從したがひて言いふ『倒たふれたり、倒たふれたり。大おほいなるバビロン、己おのが淫行いんかうより出いづる憤恚いきどほりの葡萄酒ぶだうしゅをもろもろの國人くにびとに飮のませし者もの』

9 ほかの第三だいさんの御使󠄃みつかひかれらに隨したがひ大聲おほごゑにて言いふ『もし獸けものとその像󠄃ざうとを拜はいし、且かつその額ひたひあるいは手てに徽章しるしを受うくる者ものあらば、 10 必かならず神かみの怒いかりの酒杯さかづきに盛󠄃もりたる混まじりなき憤恚いきどほりの葡萄酒ぶだうしゅを飮のみ、かつ聖󠄃せいなる御使󠄃みつかひたち及および羔羊こひつじの前󠄃まへにて火ひと硫黃いわうとにて苦くるしめらる可べし。 11 その苦痛くるしみの煙󠄃けむりは世々よゝ限かぎりなく立たち昇のぼりて、獸けものとその像󠄃ざうとを拜はいする者ものまた其その名なの徽章しるしを受うけし者ものは、夜よるも晝ひるも休息やすみを得えざらん。 12 神かみの誡命いましめとイエスを信しんずる信仰しんかうとを守まもる聖󠄃徒せいとの忍󠄄耐にんたいは茲こゝにあり』〘380㌻〙
 522㌻ 

13 我われまた天てんより聲こゑありて『書かき記しるせ「今いまよりのち主しゅにありて死しぬる死人しにんは幸福さいはひなり」御靈みたまも言いひたまふ「然しかり、彼かれ等らはその勞役はたらきを止やめて息やすまん。その業わざこれに隨したがふなり」』と言いふを聞きけり。

14 また見みしに、視みよ、白しろき雲くもあり、その雲くもの上うへに人ひとの子この如ごときもの坐ざして、首かうべには金きんの冠冕󠄅かんむりをいただき、手てには利とき鎌󠄃かまを持もちたまふ。 15 又󠄂またほかの御使󠄃みつかひ、聖󠄃所󠄃せいじょより出いで雲くものうへに坐ざしたまふ者ものにむかひ、大聲おほごゑに呼よばはりて『なんぢの鎌󠄃かまを入いれて刈かれ、地ちの穀物こくもつは全󠄃まったく熟じゅくし、旣󠄁すでに刈かり取とるべき時とき至いたればなり』と言いふ。 16 かくて雲くもの上うへに坐ざしたまふ者もの、その鎌󠄃かまを地ちに入いれたれば、地ちの穀物こくもつは刈かり取とられたり。

17 又󠄂またほかの御使󠄃みつかひ、天てんの聖󠄃所󠄃せいじょより出いで同おなじく利とき鎌󠄃かまを持もてり。 18 又󠄂またほかの火ひを掌つかさどる御使󠄃みつかひ、祭壇さいだんより出いで、利とき鎌󠄃かまを持もつ者ものにむかひ大聲おほごゑに呼よばはりて『なんぢの利とき鎌󠄃かまを入いれて地ちの葡萄ぶだうの樹きの房󠄃ふさを刈かり收をさめよ、葡萄ぶだうは旣󠄁すでに熟じゅくしたり』と言いふ。 19 御使󠄃みつかひその鎌󠄃かまを地ちに入いれて地ちの葡萄ぶだうを刈かりをさめ、神かみの憤恚いきどほりの大おほいなる酒槽さかぶねに投なげ入いれたり。 20 かくて都みやこの外そとにて酒槽さかぶねを踐ふみしに、血ち酒槽さかぶねより流ながれ出いでて馬うまの轡くつわに達󠄃とゞくほどになり、一いち千せん六ろく百ひゃく町ちゃうに廣ひろがれり。

第15章

1 我われまた天てんに他ほかの大おほいなる怪あやしむべき徴しるしを見みたり。即すなはち七人しちにんの御使󠄃みつかひありて最後いやはての七なゝつの苦難くるしみを持もてり、神かみの憤恚いきどほりは之これにて全󠄃まったうせらるるなり。

2 我われまた火ひの混まじりたる玻璃はりの海うみを見みしに、獸けものとその像󠄃ざうとその名なの數󠄄字すうじとに勝󠄃かちたる者ものども、神かみの立琴たてごとを持もちて玻璃はりの海うみの邊󠄎ほとりに立たてり。
 523㌻ 
3 彼かれら神かみの僕しもべモーセの歌うたと羔羊こひつじの歌うたとを歌うたひて言いふ『主しゅなる全󠄃能ぜんのうの神かみよ、なんぢの御業みわざは大おほいなるかな、妙たへなるかな、萬國ばんこくの王わうよ、なんぢの道󠄃みちは義ぎなるかな、眞󠄃まことなるかな。 4 主しゅよ、たれか汝なんぢを畏おそれざる、誰たれか御名みなを尊󠄅たふとばざる、汝なんぢのみ聖󠄃せいなり、諸種もろもろの國人くにびときたりて御前󠄃みまへに拜はいせん。なんぢの審判󠄄さばきは旣󠄁すでに現あらはれたればなり』

5 この後のちわれ見みしに、天てんにある證あかしの幕屋まくやの聖󠄃所󠄃せいじょひらけて、 6 かの七なゝつの苦難くるしみを持もてる七人しちにんの御使󠄃みつかひ、きよき輝かゞやける亞麻󠄃あま布ぬのを著き、金きんの帶おびを胸むねに束つかねて聖󠄃所󠄃せいじょより出いづ。 7 四よつの活物いきものの一ひとつ、その七人しちにんの御使󠄃みつかひに世々よゝ限かぎりなく生いきたまふ神かみの憤恚いきどほりの滿みちたる七なゝつの金きんの鉢はちを與あたへしかば、 8 聖󠄃所󠄃せいじょは神かみの榮光えいくわうとその權力ちからとより出いづる煙󠄃けむりにて滿みち、七人しちにんの御使󠄃みつかひの七なゝつの苦難くるしみの終󠄃をはるまでは誰たれも聖󠄃所󠄃せいじょに入いること能あたはざりき。〘381㌻〙

第16章

1 我われまた聖󠄃所󠄃せいじょより大おほいなる聲こゑありて七人しちにんの御使󠄃みつかひに『往󠄃ゆきて神かみの憤恚いきどほりの鉢はちを地ちの上うへに傾かたむけよ』と言いふを聞きけり。

2 斯かくて第一だいいちの者ものゆきて其その鉢はちを地ちの上うへに傾かたむけたれば、獸けものの徽章しるしを有󠄃もてる人々ひとびととその像󠄃ざうを拜はいする人々ひとびととの身みに惡あしき苦くるしき腫物しゅもつ生しゃうじたり。

3 第二だいにの者ものその鉢はちを海うみの上うへに傾かたむけたれば、海うみは死人しにんの血ちの如ごとくなりて海うみにある生物いきものことごとく死しにたり。

4 第三だいさんの者ものその鉢はちをもろもろの河かはと、もろもろの水みづの源泉みなもととの上うへに傾かたむけたれば、みな血ちとなれり。
 524㌻ 
5 われ水みづを掌つかさどる御使󠄃みつかひの『いま在いまし昔むかしいます聖󠄃せいなる者ものよ、なんぢの斯かく定さだめ給たまひしは正たゞしき事ことなり。 6 彼かれらは聖󠄃徒せいとと預言者よげんしゃとの血ちを流ながしたれば、之これに血ちを飮のませ給たまひしは相應ふさはしきなり』と云いへるを聞きけり。 7 我われまた祭壇さいだんの物もの言いふを聞きけり『然しかり、主しゅなる全󠄃能ぜんのうの神かみよ、なんぢの審判󠄄さばきは眞󠄃まことなるかな、義ぎなるかな』と。

8 第四だいしの者ものその鉢はちを太陽たいやうの上うへに傾かたむけたれば、太陽たいやうは火ひをもて人ひとを燒やくことを許ゆるさる。 9 斯かくて人々ひとびと烈はげしき熱ねつに燒やかれて、此これ等らの苦難くるしみを掌つかさどる權威󠄂けんゐを有󠄃もたちまふ神かみの名なを瀆けがし、かつ悔改くいあらためずして神かみに榮光えいくわうを歸きせざりき。

10 第五だいごの者ものその鉢はちを獸けものの座位くらゐの上うへに傾かたむけたれば、獸けものの國くに暗󠄃くらくなり、その國人くにびと痛いたみによりて己おのれの舌したを齧かみ、 11 その痛いたみと腫物しゅもつとによりて天てんの神かみを瀆けがし、かつ己おのが行爲おこなひを悔改くいあらためざりき。

12 第六だいろくの者ものその鉢はちを大おほいなる河かはユウフラテの上うへに傾かたむけたれば、河かはの水みづ涸かれたり。これ日ひの出いづる方かたより來きたる王わうたちの途󠄃みちを備そなへん爲ためなり。 13 我われまた龍󠄇たつの口くちより、獸けものの口くちより、僞にせ預言者よげんしゃの口くちより、蛙かはづのごとき三みつの穢けがれし靈れいの出いづるを見みたり。 14 これは徴しるしをおこなふ惡鬼あくきの靈れいにして、全󠄃能ぜんのうの神かみの大おほいなる日ひの戰鬪たゝかひのために全󠄃世界ぜんせかいの王わう等たちを集あつめんとて、その許もとに出いでゆくなり。 15 (視みよ、われ盜人ぬすびとのごとく來きたらん、裸はだかにて步あゆみ羞所󠄃はぢどころを見みらるること莫なからん爲ために、目めを覺さましてその衣ころもを守まもる者ものは幸福さいはひなり) 16 かの三みつの靈れい、王わうたちをヘブル語ごにてハルマゲドンと稱󠄄となふる處ところに集あつめたり。

17 第七だいしちの者ものその鉢はちを空󠄃中くうちゅうに傾かたむけたれば、聖󠄃所󠄃せいじょより、御座みくらより大おほいなる聲こゑいでて『事ことすでに成󠄃なれり』と言いふ。
 525㌻ 
18 斯かくて數󠄄多あまたの電光いなづまと聲こゑと雷霆いかづちとあり、また大おほいなる地震ぢしんおこれり、人ひとの地ちの上うへに在ありし以來このかたかかる大おほいなる地震ぢしんなかりき。〘382㌻〙 19 大おほいなる都みやこは三みつに裂さかれ、諸國しょこくの町々まちまちは倒たふれ、大おほいなるバビロンは神かみの前󠄃まへにおもひ出いだされて、劇はげしき御怒みいかりの葡萄酒ぶだうしゅを盛󠄃もりたる酒杯さかづきを與あたへられたり。 20 凡すべての島しまは逃󠄄にげさり、山やまは見みえずなれり。 21 また天てんより百ひゃく斤きんほどの大おほいなる雹へう、人々ひとびとの上うへに降󠄄ふりしかば、人々ひとびと雹へうの苦難くるしみによりて神かみを瀆けがせり。是これその苦難くるしみ甚はなはだしく大おほいなればなり。

第17章

1 七なゝつの鉢はちを持もてる七人しちにんの御使󠄃みつかひの一人ひとりきたり我われに語かたりて言いふ『來きたれ、われ多おほくの水みづの上うへに坐ざする大淫婦󠄃だいいんぷの審判󠄄さばきを汝なんぢに示しめさん。 2 地ちの王わうたちは之これと淫いんをおこなひ、地ちに住󠄃すむ者ものらは其その淫行いんかうの葡萄酒ぶだうしゅに醉ゑひたり』 3 斯かくて、われ御靈みたまに感かんじ、御使󠄃みつかひに携たづさへられて荒野あらのにゆき、緋色ひいろの獸けものに乘のれる女をんなを見みたり、この獸けものの體からだは神かみを瀆けがす名なにて覆󠄄おほはれ、また七なゝつの頭かしらと十とをの角つのとあり。 4 女をんなは紫色むらさきと緋ひとを著き、金きん・寳石はうせき・眞󠄃珠しんじゅにて身みを飾󠄃かざり、手てには憎にくむべきものと己おのが淫行いんかうの汚けがれとにて滿みちたる金きんの酒杯さかづきを持もち、 5 額ひたひには記しるされたる名なあり。曰いはく『奧義おくぎ大おほいなるバビロン、地ちの淫婦󠄃いんぷらと憎にくむべき者ものとの母はは』 6 我われこの女をんなを見みるに、聖󠄃徒せいとの血ちとイエスの證人しょうにんの血ちとに醉ゑひたり。我われこれを見みて大おほいに怪あやしみたれば、 7 御使󠄃みつかひわれに言いふ『なにゆゑ怪あやしむか、我われこの女をんなと之これを乘のせたる七なゝつの頭かしら、十とをの角つのある獸けものとの奧義おくぎを汝なんぢに吿つげん。 8 なんぢの見みし獸けものは前󠄃さきに有󠄃ありしも今いまあらず、後のちに底そこなき所󠄃ところより上のぼりて滅亡ほろびに往󠄃ゆかん、地ちに住󠄃すむ者ものにて世よの創はじめより其その名なを生命いのちの書ふみに記しるされざる者ものは、獸けものの前󠄃さきにありて今いまあらず、後のちに來きたるを見みて怪あやしまん。 9 智慧󠄄ちゑの心こゝろは茲こゝにあり。七なゝつの頭かしらは女をんなの坐ざする七なゝつの山やまなり、また七人しちにんの王わうなり。 10 五ご人にんは旣󠄁すでに倒たふれて一人ひとりは今いまあり、他ほかの一人ひとりは未いまだ來きたらず、來きたらば暫時しばしのほど止とどまるべきなり。
 526㌻ 
11 前󠄃さきにありて今いまあらぬ獸けものは第八だいはちなり、前󠄃まへの七人しちにんより出いでたる者ものにして滅亡ほろびに往󠄃ゆくなり。 12 汝なんぢの見みし十とをの角つのは十じふ人にんの王わうにして未いまだ國くにを受うけざれども、一時ひとときのあひだ獸けものと共ともに王わうのごとき權威󠄂けんゐを受うくべし。 13 彼かれらは心こゝろを一ひとつにして己おのが能力ちからと權威󠄂けんゐとを獸けものにあたふ。 14 彼かれらは羔羊こひつじと戰たゝかはん。而しかして羔羊こひつじかれらに勝󠄃かち給たまふべし、彼かれは主しゅの主しゅ、王わうの王わうなればなり。これと偕ともなる召めされたるもの、選󠄄えらばれたるもの、忠實ちゅうじつなる者ものも勝󠄃かちを得えべし』 15 御使󠄃みつかひまた我われに言いふ『なんぢの見みし水みづ、すなはち淫婦󠄃いんぷの坐ざする處ところは、もろもろの民たみ・群衆ぐんじゅう・國くに・國語くにことばなり。 16 なんぢの見みし十とをの角つのと獸けものとは、かの淫婦󠄃いんぷを憎にくみ、之これをして荒凉あれすさばしめ、裸はだかならしめ、且かつその肉󠄁にくを喰くらひ、火ひをもて之これを燒やき盡つくさん。〘383㌻〙 17 神かみは彼かれらに御旨みむねを行おこなふことと、心こゝろを一ひとつにすることと、神かみの御言みことばの成󠄃就じゃうじゅするまで國くにを獸けものに與あたふることとを思おもはしめ給たまひたればなり。 18 なんぢの見みし女をんなは地ちの王わうたちを宰つかさどる大おほいなる都みやこなり』

第18章

1 この後のちまた他ほかの一人ひとりの御使󠄃みつかひの大おほいなる權威󠄂けんゐを有󠄃もちて天てんより降󠄄くだるを見みしに、地ちはその榮光えいくわうによりて照てらされたり。 2 かれ强つよき聲こゑにて呼よばはりて言いふ『大おほいなるバビロンは倒たふれたり、倒たふれたり、かつ惡魔󠄃あくまの住󠄃家すみか、もろもろの穢けがれたる靈れいの檻をり、もろもろの穢けがれたる憎にくむべき鳥とりの檻をりとなれり。 3 もろもろの國人くにびとはその淫行いんかうの憤恚いきどほりの葡萄酒ぶだうしゅを飮のみ、地ちの王わうたちは彼かれと淫いんをおこなひ、地ちの商人あきうどらは彼かれの奢おごりの勢力ちからによりて富とみたればなり』

4 また天てんより他ほかの聲こゑあるを聞きけり。曰いはく『わが民たみよ、かれの罪つみに干あづからず、彼かれの苦難くるしみを共ともに受うけざらんため、その中うちを出いでよ。
 527㌻ 
5 かれの罪つみは積つもりて天てんにいたり、神かみその不義ふぎを憶おぼえ給たまひたればなり。 6 彼かれが爲なしし如ごとく彼かれに爲なし、その行爲おこなひに應おうじ、倍ばいして之これを報むくい、かれが酌くみ與あたへし酒杯さかづきに倍ばいして之これに酌くみ與あたへよ。 7 かれが自みづから尊󠄅たふとび、みづから奢おごりしと同おなじほどの苦難くるしみと悲歎かなしみとを之これに與あたへよ。彼かれは心こゝろのうちに「われは女王にょわうの位くらゐに坐ざする者ものにして寡婦󠄃やもめにあらず、決けっして悲歎かなしみを見みざるべし」と言いふ。 8 この故ゆゑに、さまざまの苦難くるしみ一日いちにちのうちに彼かれの身みにきたらん、即すなはち死しと悲歎かなしみと饑󠄃饉ききんとなり。彼かれまた火ひにて燒やき盡つくされん、彼かれを審さばきたまふ主しゅなる神かみは强つよければなり。 9 彼かれと淫いんをおこなひ、彼かれとともに奢おごりたる地ちの王わうたちは、其その燒やかるる煙󠄃けむりを見みて泣なきかつ歎なげき、 10 その苦難くるしみを懼おそれ、遙はるかに立たちて「禍害󠄅わざはひなるかな、禍害󠄅わざはひなるかな、大おほいなる都みやこ、堅固けんごなる都みやこバビロンよ、汝なんぢの審判󠄄さばきは時ときの間まに來きたれり」と言いはん。 11 地ちの商人あきうどかれが爲ために泣なき悲かなしまん。今いまより後のちその商品しゃうひんを買かふ者ものなければなり。 12 その商品しゃうひんは金きん・銀ぎん・寳石はうせき・眞󠄃珠しんじゅ・細布ほそぬの・紫色むらさき・絹きぬ・緋色ひいろおよび各樣さまざまの香木かうぼく、また象牙󠄂ざうげのさまざまの器うつは、價あたひ貴たかき木き、眞󠄃鍮しんちゅう・鐵てつ・蝋石らうせきなどの各樣さまざまの器うつは、 13 また肉󠄁桂にくけい・香料かうれう・香かう・香にほひ油あぶら・乳󠄃香にうかう・葡萄酒ぶだうしゅ・オリブ油ゆ・麥粉󠄃むぎこ・麥むぎ・牛うし・羊ひつじ・馬うま・車くるま・奴隷どれいおよび人ひとの靈魂たましひなり。 14 なんぢの靈魂たましひの嗜たしみたる果物くだものは汝なんぢを去さり、すべての美味びみ、華美はなやかなる物ものは亡ほろびて汝なんぢを離はなれん、今いまより後のちこれを見みること無なかるべし。 15 これらの物ものを商あきなひ、バビロンに由よりて富とみを得えたる商人あきうどらは其その苦難くるしみを懼おそれて遙はるかに立たち、泣なき悲かなしみて言いはん、〘384㌻〙 16 「禍害󠄅わざはひなるかな、禍害󠄅わざはひなるかな、細布ほそぬのと紫色むらさきと緋ひとを著き、金きん・寳石はうせき・眞󠄃珠しんじゅをもて身みを飾󠄃かざりたる大おほいなる都みやこ、 17 斯かくばかり大おほいなる富とみの時ときの間まに荒凉あれすさばんとは」而しかして凡すべての船󠄄ふな長をさ、すべて海うみをわたる人々ひとびと、舟子かこおよび海うみによりて生活すぎはひを爲なすもの遙はるかに立たち、
 528㌻ 
18 バビロンの燒やかるる煙󠄃けむりを見みて叫さけび「いづれの都みやこか、この大おほいなる都みやこに比くらぶべき」と言いはん。 19 彼かれ等らまた塵ちりをおのが首かうべに被かぶりて泣なき悲かなしみ叫さけびて「禍害󠄅わざはひなるかな、禍害󠄅わざはひなるかな、此この大おほいなる都みやこ、その奢おごりによりて海うみに船󠄄ふねを有󠄃もてる人々ひとびとの富とみを得えたる都みやこ、かく時ときの間まに荒凉あれすさばんとは」と言いはん。 20 天てんよ、聖󠄃徒せいと・使󠄃徒しと・預言者よげんしゃよ、この都みやこにつきて喜よろこべ、神かみなんぢらの爲ために之これを審さばき給たまひたればなり』

21 爰こゝに一人ひとりの强つよき御使󠄃みつかひ、大おほいなる碾臼ひきうすのごとき石いしを擡もたげ海うみに投なげて言いふ『おほいなる都みやこバビロンは斯かくのごとく烈はげしく擊うち倒たふされて、今いまより後のち、見みえざるべし。 22 今いまよりのち立琴たてごとを彈ひくもの、樂がくを奏そうするもの、笛ふえを吹ふく者もの、ラッパを鳴ならす者ものの聲こゑなんぢの中うちに聞きこえず、今いまより後のちさまざまの細工さいくをなす細工人さいくにんなんぢの中うちに見みえず、碾臼ひきうすの音󠄃おとなんぢの中うちに聞きこえず、 23 今いまよりのち燈火ともしびの光ひかりなんぢの中うちに輝かゞやかず、今いまよりのち新郎はなむこ・新婦󠄃はなよめの聲こゑなんぢの中うちに聞きこえざるべし。そは汝なんぢの商人あきうどは地ちの大臣だいじんとなり、諸種もろもろの國人くにびとは、なんぢの咒術󠄃まじわざに惑まどはされ、 24 また預言者よげんしゃ・聖󠄃徒せいとおよび凡すべて地ちの上うへに殺ころされし者ものの血ちは、この都みやこの中うちに見出みいだされたればなり』

第19章

1 この後のちわれ天てんに大おほいなる群衆ぐんじゅうの大聲おほごゑのごとき者ものありて、斯かく言いふを聞きけり。曰いはく 『ハレルヤ、救すくひと榮光えいくわうと權力ちからとは、我われらの神かみのものなり。 2 その御審みさばきは眞󠄃まことにして義ぎなるなり、己おのが淫行いんかうをもて地ちを汚けがしたる大淫婦󠄃だいいんぷを審さばき、神かみの僕しもべらの血ちの復讐ふくしうを彼かれになし給たまひしなり』

3 また再ふたゝび言いふ『ハレルヤ、彼かれの燒やかるる煙󠄃けむりは世々よゝ限かぎりなく立たち昇のぼるなり』 4 爰こゝに二十四人にじふよにんの長老ちゃうらうと四よつの活物いきものと平󠄃伏ひれふして御座みくらに坐ざしたまふ神かみを拜はいし『アァメン、ハレルヤ』と言いへり。
 529㌻ 
5 また御座みくらより聲こゑ出いでて言いふ 『すべて神かみの僕しもべたるもの、神かみを畏おそるる者ものよ、小せうなるも大だいなるも、我われらの神かみを讃ほめ奉まつれ』 6 われ大おほいなる群衆ぐんじゅうの聲こゑおほくの水みづの音󠄃おとのごとく、烈はげしき雷霆いかづちの聲こゑの如ごときものを聞きけり。曰いはく 『ハレルヤ、全󠄃能ぜんのうの主しゅ、われらの神かみは統治すべしらすなり、〘385㌻〙 7 われら喜よろこび樂たのしみて之これに榮光えいくわうを歸きし奉まつらん。そは羔羊こひつじの婚姻こんいんの時ときいたり、旣󠄁すでにその新婦󠄃はなよめみづから準備そなへしたればなり。 8 彼かれは輝かゞやける潔󠄄きよき細布ほそぬのを著きることを許ゆるされたり、此この細布ほそぬのは聖󠄃徒せいとたちの正たゞしき行爲おこなひなり』

9 御使󠄃みつかひまた我われに言いふ『なんぢ書かき記しるせ、羔羊こひつじの婚姻こんいんの宴席ふるまひに招まねかれたる者ものは幸福さいはひなり』と。また我われに言いふ『これ神かみの眞󠄃まことの言ことばなり』 10 我われその足下あしもとに平󠄃伏ひれふして拜はいせんとしたれば、彼かれわれに言いふ『愼つゝしみて然しかすな、我われは汝なんぢおよびイエスの證あかしを保たもつ汝なんぢの兄弟きゃうだいとともに僕しもべたるなり。なんぢ神かみを拜はいせよ、イエスの證あかしは即すなはち預言よげんの靈れいなり』

11 我われまた天てんの開ひらけたるを見みしに、視みよ、白しろき馬うまあり、之これに乘のりたまふ者ものは「忠實ちゅうじつまた眞󠄃まこと」と稱󠄄となへられ、義ぎをもて審さばき、かつ戰たゝかひたまふ。 12 彼かれの目めは燄ほのほのごとく、その頭かうべには多おほくの冠冕󠄅かんむりあり、また記しるせる名なあり、之これを知しる者ものは彼かれの他ほかになし。 13 彼かれは血ちに染そみたる衣ころもを纒󠄂まとへり、その名なは「神かみの言ことば」と稱󠄄となふ。 14 天てんに在ある軍勢ぐんぜいは白しろく潔󠄄きよき細布ほそぬのを著き、馬うまに乘のりて彼かれにしたがふ。 15 彼かれの口くちより利とき劍つるぎいづ、之これをもて諸國しょこくの民たみをうち、鐵てつの杖つゑをもて之これを治をさめ給たまはん。また自みづから全󠄃能ぜんのうの神かみの烈はげしき怒いかりの酒槽さかぶねを踐ふみたまふ。 16 その衣ころもと股もゝとに『王わうの王わう、主しゅの主しゅ』と記しるせる名なあり。

17 我われまた一人ひとりの御使󠄃みつかひの太陽たいやうのなかに立たてるを見みたり。大聲おほごゑに呼よばはりて、中空󠄃なかぞらを飛とぶ凡すべての鳥とりに言いふ『いざ神かみの大おほいなる宴席ふるまひに集つどひきたりて、
 530㌻ 
18 王わうたちの肉󠄁にく、將校󠄃しゃうこうの肉󠄁にく、强つよき者ものの肉󠄁にく、馬うまと之これに乘のる者ものとの肉󠄁にく、すべての自主じしゅおよび奴隷どれい、小せうなるもの大だいなる者ものの肉󠄁にくを食󠄃くらへ』

19 我われまた獸けものと地ちの王わうたちと彼かれらの軍勢ぐんぜいとが相あひ集あつまりて、馬うまに乘のりたまふ者ものおよび其その軍勢ぐんぜいに對むかひて戰鬪たゝかひを挑いどむを見みたり。 20 かくて獸けものは捕とらへられ、又󠄂またその前󠄃まへに不思議ふしぎを行おこなひて獸けものの徽章しるしを受うけたる者ものと、その像󠄃ざうを拜はいする者ものとを惑まどはしたる僞にせ預言者よげんしゃも、之これとともに捕とらへられ、二ふたつながら生いきたるまま硫黃いわうの燃もゆる火ひの池いけに投なげ入いれられたり。 21 その他ほかの者ものは馬うまに乘のりたまふ者ものの口くちより出いづる劍つるぎにて殺ころされ、凡すべての鳥とりその肉󠄁にくを食󠄃くらひて飽󠄄あきたり。

第20章

1 我われまた一人ひとりの御使󠄃みつかひの底そこなき所󠄃ところの鍵󠄃かぎと大おほいなる鎖󠄃くさりとを手てに持もちて、天てんより降󠄄くだるを見みたり。 2 彼かれは龍󠄇たつ、すなわち惡魔󠄃あくまたりサタンたる古ふるき蛇へびを捕とらへて、之これを千年せんねんのあひだ繋つなぎおき、 3 底そこなき所󠄃ところに投なげ入いれ閉とぢ込󠄃こめて、その上うへに封印ふういんし、千年せんねんの終󠄃をはるまでは諸國しょこくの民たみを惑まどはすこと勿なからしむ。その後のち、暫時しばしのあひだ解とき放はなさるべし。〘386㌻〙

4 我われまた多おほくの座位くらゐを見みしに、之これに座ざする者ものあり、審判󠄄さばきする權威󠄂けんゐを與あたへられたり。我われまたイエスの證あかしおよび神かみの御言みことばのために馘くびきられし者ものの靈魂たましひ、また獸けものをもその像󠄃ざうをも拜はいせず己おのが額ひたひあるひは手てにその徽章しるしを受うけざりし者ものどもを見みたり。彼かれらは生いきかへりて千年せんねんの間あひだキリストと共ともに王わうとなれり。 5 (その他ほかの死人しにんは千年せんねんの終󠄃をはるまで生いきかへらざりき)これは第一だいいちの復活よみがへりなり。 6 幸福さいはひなるかな、聖󠄃せいなるかな、第一だいいちの復活よみがへりに干あづかる人ひと。この人々ひとびとに對たいして第二だいにの死しは權威󠄂けんゐを有󠄃もたず、彼かれらは神かみとキリストとの祭司さいしとなり、キリストと共ともに千年せんねんのあひだ王わうたるべし。
 531㌻ 

7 千年せんねん終󠄃をはりて後のちサタンは其その檻をりより解とき放はなたれ、 8 出いでて地ちの四方しはうの國くにの民たみ、ゴグとマゴグとを惑まどはし戰鬪たゝかひのために之これを集あつめん、その數󠄄かずは海うみの砂すなのごとし。 9 斯かくて彼かれらは地ちの全󠄃面ぜんめんに上あがりて聖󠄃徒せいとたちの陣營ぢんえいと愛あいせられたる都みやことを圍󠄃かこみしが、天てんより火ひくだりて彼かれ等らを燒やき盡つくし、 10 彼かれらを惑まどはしたる惡魔󠄃あくまは、火ひと硫黃いわうとの池いけに投なげ入いれられたり。ここは獸けものも僞にせ預言者よげんしゃもまた居をる所󠄃ところにして、彼かれらは世々よゝ限かぎりなく晝ひるも夜よるも苦くるしめらるべし。

11 我われまた大おほいなる白しろき御座みくらおよび之これに座ざし給たまふものを見みたり。天てんも地ちもその御顏みかほの前󠄃まへを遁󠄅のがれて跡あとだに見みえずなりき。 12 我われまた死しにたる者ものの大だいなるも小せうなるも御座みくらの前󠄃まへに立たてるを見みたり。而しかして數󠄄々かずかずの書ふみ展ひらかれ、他ほかにまた一ひとつの書ふみありて展ひらかる。即すなはち生命いのちの書ふみなり、死人しにんは此これ等らの書ふみに記しるされたる所󠄃ところの、その行爲おこなひに隨したがひて審さばかれたり。 13 海うみはその中なかにある死人しにんを出いだし、死しも陰府よみもその中なかにある死人しにんを出いだしたれば、各自おのおのその行爲おこなひに隨したがひて審さばかれたり。 14 斯かくて死しも陰府よみも火ひの池いけに投なげ入いれられたり、此この火ひの池いけは第二だいにの死しなり。 15 すべて生命いのちの書ふみに記しるされぬ者ものは、みな火ひの池いけに投なげ入いれられたり。

第21章

1 我われまた新あたらしき天てんと新あたらしき地ちとを見みたり。これ前󠄃さきの天てんと前󠄃さきの地ちとは過󠄃すぎ去さり、海うみも亦またなきなり。 2 我われまた聖󠄃せいなる都みやこ、新あたらしきエルサレムの、夫をっとのために飾󠄃かざりたる新婦󠄃はなよめのごとく準備そなへして、神かみの許もとをいで、天てんより降󠄄くだるを見みたり。 3 また大おほいなる聲こゑの御座みくらより出いづるを聞きけり。曰いはく『視みよ、神かみの幕屋まくや、人ひとと偕ともにあり、神かみ、人ひとと偕ともに住󠄃すみ、人ひと、神かみの民たみとなり、神かみみづから人ひとと偕ともに在いまして、
 532㌻ 
4 かれらの目めの淚なみだをことごとく拭ぬぐひ去さり給たまはん。今いまよりのち死しもなく、悲歎かなしみも、號叫さけびも、苦痛くるしみもなかるべし。前󠄃さきのもの旣󠄁すでに過󠄃すぎ去さりたればなり』〘387㌻〙 5 斯かくて御座みくらに坐ざし給たまふもの言いひたまふ『視みよ、われ一切すべてのものを新あらたにするなり』また言いひたまふ『書かき記しるせ、これらの言ことばは信しんずべきなり、眞󠄃まことなり』 6 また我われに言いひたまふ『事ことすでに成󠄃なれり、我われはアルパなり、オメガなり、始はじめなり、終󠄃をはりなり、渇かわく者ものには價あたひなくして生命いのちの水みづの泉いづみより飮のむことを許ゆるさん。 7 勝󠄃かちを得うる者ものは此これ等らのものを嗣つがん、我われはその神かみとなり、彼かれは我わが子ことならん。 8 されど臆おくするもの、信しんぜぬもの、憎にくむべきもの、人ひとを殺ころすもの、淫行いんかうのもの、咒術󠄃まじわざをなすもの、偶像󠄃ぐうざうを拜はいする者ものおよび凡すべて僞いつはる者ものは、火ひと硫黃いわうとの燃もゆる池いけにて其その報むくいを受うくべし、これ第二だいにの死しなり』

9 最後いやはての七なゝつの苦難くるしみの滿みちたる七なゝつの鉢はちを持もてる七人しちにんの御使󠄃みつかひの一人ひとりきたり、我われに語かたりて言いふ『來きたれ、われ羔羊こひつじの妻つまなる新婦󠄃はなよめを汝なんぢに見みせん』 10 御使󠄃みつかひ、御靈みたまに感かんじたる我われを携たづさへて大おほいなる高たかき山やまにゆき、聖󠄃せいなる都みやこエルサレムの、神かみの榮光えいくわうをもて神かみの許もとを出いでて天てんより降󠄄くだるを見みせたり。 11 その都みやこの光輝かゝやきはいと貴たふとき玉たまのごとく、透󠄃徹すきとほる碧玉へきぎょくのごとし。 12 此處ここに大おほいなる高たかき石垣いしがきありて十二じふにの門もんあり、門もんの側かたはらに一人ひとりづつ十二じふにの御使󠄃みつかひあり、門もんの上うへに一ひとつづつイスラエルの子孫しそんの十二じふにの族やからの名なを記しるせり。 13 東ひがしに三みつの門もん、北きたに三みつの門もん、南みなみに三みつの門もん、西にしに三みつの門もんあり。 14 都みやこの石垣いしがきには十二じふにの基もとゐあり、これに羔羊こひつじの十二じふにの使󠄃徒しとの十二じふにの名なを記しるせり。 15 我われと語かたる者ものは都みやこと門もんと石垣いしがきとを測はからん爲ために金きんの間竿けんざをを持もてり。
 533㌻ 
16 都みやこは方形はうけいにして、その長ながさ廣ひろさ相あひ均ひとし。彼かれは間竿けんざをにて都みやこを測はかりしに一千いちせん二百にひゃく町ちゃうあり、長ながさ廣ひろさ高たかさみな相あひ均ひとし。 17 また石垣いしがきを測はかりしに人ひとの度はかり、すなはち御使󠄃みつかひの度はかりに據よれば百ひゃく四十しじふ四し尺しゃくあり。 18 石垣いしがきは碧玉へきぎょくにて築きづき、都みやこは淸きよらかなる玻璃はりのごとき純金じゅんきんにて造󠄃つくれり。 19 都みやこの石垣いしがきの基もとゐは、さまざまの寳石はうせきにて飾󠄃かざれり。第一だいいちの基もとゐは碧玉へきぎょく、第二だいには瑠璃るり、第三だいさんは玉髓ぎょくずい、第四だいしは緑玉りょくぎょく、 20 第五だいごは紅縞あかじま瑪瑙めのう、第六だいろくは赤瑪瑙あかめのう、第七だいしちは貴橄欖石きかんらんせき、第八だいはちは緑柱󠄃石りょくちゅうせき、第だい九くは黃玉石くわうぎょくせき、第だい十じふは緑玉髓りょくぎょくずゐ、第だい十じふ一いちは靑玉せいぎょく、第だい十二じふには紫むらさき水晶ずゐしゃうなり。 21 十二じふにの門もんは十二じふにの眞󠄃珠しんじゅなり、おのおのの門もんは一ひとつの眞󠄃珠しんじゅより成󠄃なり、都みやこの大路おほじは透󠄃徹すきとほる玻璃はりのごとき純金じゅんきんなり。 22 われ都みやこの內うちにて宮みやを見みざりき、主しゅなる全󠄃能ぜんのうの神かみおよび羔羊こひつじはその宮みやなり。 23 都みやこは日月󠄃じつげつの照てらすを要󠄃えうせず、神かみの榮光えいくわうこれを照てらし、羔羊こひつじはその燈火あかりなり。 24 諸國しょこくの民たみは都みやこの光ひかりのなかを步あゆみ、地ちの王わうたちは己おのが光榮くわうえいを此處ここに携たづさへきたる。〘388㌻〙 25 都みやこの門もんは終󠄃日ひねもす閉とぢず(此處ここに夜よあることなし) 26 人々ひとびとは諸國しょこくの民たみの光榮くわうえいと尊󠄅貴たふときとを此處ここにたづさえ來きたらん。 27 凡すべて穢けがれたる者もの、また憎にくむべき事ことと虛僞いつはりとを行おこなふ者ものは、此處ここに入いらず、羔羊こひつじの生命いのちの書ふみに記しるされたる者もののみ此處ここに入いるなり。

第22章

1 御使󠄃みつかひまた水晶すゐしゃうのごとく透󠄃徹すきとほれる生命いのちの水みづの河かはを我われに見みせたり。この河かはは神かみと羔羊こひつじとの御座みくらより出いでて都みやこの大路おほじの眞󠄃中まなかを流ながる。 2 河かはの左右さいうに生命いのちの樹きありて十二じふに種しゅの實みを結むすび、その實みは月󠄃つき每ごとに生しゃうじ、その樹きの葉はは諸國しょこくの民たみを醫いやすなり。 3 今いまよりのち詛のろはるべき者ものは一ひとつもなかるべし。神かみと羔羊こひつじとの御座みくらは都みやこの中うちにあり。その僕しもべらは之これに事つかへ、
 534㌻ 
4 且かつその御顏みかほを見みん、その御名みなは彼かれらの額ひたひにあるべし。 5 今いまよりのち夜よある事ことなし、燈火ともしびの光ひかりをも日ひの光ひかりをも要󠄃えうせず、主しゅなる神かみかれらを照てらし給たまへばなり。彼かれらは世々よゝ限かぎりなく王わうたるべし。

6 彼かれまた我われに言いふ『これらの言ことばは信しんずべきなり、眞󠄃まことなり、預言者よげんしゃたちの靈魂たましひの神かみたる主しゅは、速󠄃すみやかに起󠄃おこるべき事ことをその僕しもべどもに示しめさんとて御使󠄃みつかひを遣󠄃つかはし給たまへるなり。 7 視みよ、われ速󠄃すみやかに到いたらん、この書ふみの預言よげんの言ことばを守まもる者ものは幸福さいはひなり』

8 これらの事ことを聞きき、かつ見みし者ものは我われヨハネなり。斯かくて見み聞きゝせしとき我われこれらの事ことを示しめしたる御使󠄃みつかひの足下あしもとに平󠄃伏ひれふして拜はいせんと爲せしに、 9 かれ言いふ『つつしみて然しか爲すな、われは汝なんぢおよび汝なんぢの兄弟きゃうだいたる預言者よげんしゃ、また此この書ふみの言ことばを守まもる者ものと等ひとしく僕しもべたるなり、なんぢ神かみを拜はいせよ』

10 また我われに言いふ『この書ふみの預言よげんの言ことばを封ふうずな、時とき近󠄃ちかければなり。 11 不義ふぎをなす者ものはいよいよ不義ふぎをなし、不淨ふじゃうなる者ものはいよいよ不淨ふじゃうをなし、義ぎなる者ものはいよいよ義ぎをおこなひ、淸きよき者ものはいよいよ淸きよくすべし。 12 視みよ、われ報むくいをもて速󠄃すみやかに到いたらん、各人おのおのの行爲おこなひに隨したがひて之これを與あたふべし。 13 我われはアルパなり、オメガなり、最先いやさきなり、最後いやはてなり、始はじめなり、終󠄃をはりなり、 14 おのが衣ころもを洗あらふ者ものは幸福さいはひなり、彼かれらは生命いのちの樹きにゆく權威󠄂けんゐを與あたへられ、門もんを通󠄃とほりて都みやこに入いることを得うるなり。 15 犬いぬおよび咒術󠄃まじわざをなすもの、淫行いんかうのもの、人ひとを殺ころすもの、偶像󠄃ぐうざうを拜はいする者もの、また凡すべて虛僞いつはりを愛あいして之これを行おこなふ者ものは外そとにあり。
 535㌻ 

16 われイエスは我わが使󠄃つかひを遣󠄃つかはして諸しょ敎會けうくわいのために此これ等らのことを汝なんぢらに證あかしせり。我われはダビデの萠蘖ひこばえまた其その裔すゑなり、輝かゞやける曙󠄃あけの明星みゃうじゃうなり』〘389㌻〙

17 御靈みたまも新婦󠄃はなよめもいふ『來きたりたまへ』聞きく者ものも言いへ『きたり給たまへ』と、渇かわく者ものはきたれ、望󠄇のぞむ者ものは價あたひなくして生命いのちの水みづを受うけよ。

18 われ凡すべてこの書ふみの預言よげんの言ことばを聞きく者ものに證あかしす。もし之これに加くはふる者ものあらば、神かみはこの書ふみに記しるされたる苦難くるしみを彼かれに加くはへ給たまはん。 19 若もしこの預言よげんの書ふみの言ことばを省はぶく者ものあらば、神かみはこの書ふみに記しるされたる生命いのちの樹き、また聖󠄃せいなる都みやこより彼かれの受うくべき分󠄃ぶんを省はぶき給たまはん。

20 これらの事ことを證あかしする者ものいひ給たまふ『然しかり、われ速󠄃すみやかに到いたらん』アァメン、主しゅイエスよ、來きたりたまへ。

21 願ねがはくは主しゅイエスの恩惠めぐみ、なんぢら凡すべての者ものと偕ともに在あらんことを。〘390㌻〙
 536㌻ 
2026/01/18